弁護士会の無料多重債務相談

2013年04月17日

全国的にそうですが、
佐賀県弁護士会も多重債務相談は
無料となっています。

私が弁護士になった頃は、
借金取りに追われて・・・という相談が
弁護士会に多数寄せられていました。

自己破産は原則として法律扶助が使えず、
民事再生法もない時代ですので、
費用の工面ができない相談者が多く、
弁護士も着手金分割で受ける人は少なく、
多重債務相談は敬遠する人が
少なくありませんでした。

しかし、弁護士会への相談依頼は
多数寄せられていたので、
佐賀では、各事務所の弁護士が
順番で毎日、多重債務相談を実施することにし、
原則として、午前中に相談の依頼をすれば、
その日のうちに相談を受けられ、
取り立てを止められるような体制を
作りました。

佐賀の弁護士は30人足らずでしたので、
毎月1回は相談担当日があり、
相談担当日には30分刻みに6組、7組の相談を受ける、
しかもその大半は「今日、受任して」ということなので、
大量の受任通知発送に追われる
ことになりました。

当初は、相談料は5000円で、
「弁護士に頼んで取り立て止める」
のが大半の方の目的でしたので、
「相談」とはいっても、弁護士との出会いの場
という状態でしたので、
「任意生理は受けない」
「着手金分割なら受けない」
という弁護士にあたってしまっては、
多くの相談者の目的が達成できず、
相談料が無駄になってしまうので、
相談担当弁護士に
「どの整理手続でも受任義務」
「着手金分割でも受任義務」
という体制をとりました。

私のように、どんなに低額の分割払いでも
ちゃんと受任して丁寧な事件処理を
行う弁護士の相談担当日に
相談依頼が偏る、という事態も
これによりかなり解消されました。

それでも「弁護士会の相談にいくなら、
今度は◎日の◎弁護士がいいよ」という話は、
結構、出回っていたようですが・・。

いずれも私が佐賀県弁護士会の担当委員会である
消費者問題委員会の事務局長時代の話ですが、
全国の弁護士会の中でも、当時は
かなり進んでいたと思います。

日弁連や九弁連の会議で、佐賀の多重債務問題
に対する取組は、よく評価をされていました。

今では、弁護士会への多重債務相談の依頼は、
かなり減りました。
弁護士が増えましたので、担当日が数ヶ月に1回
になりましたが、相談が0のときの方が多い気がします。

多重債務被害が減った、ということであれば、
好意的に考えたいと思いますが、
十数年前とは大きな違いとなっています。


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Posted by わかくす法律事務所 at 23:56 │消費者問題