イギリス地方政府における職務評価

2014年12月04日

日弁連の会議に明治大学経営学部教授の
遠藤公嗣先生にお越しいただきました。

イギリスの地方政府における「同一価値労働同一賃金」
をめざした職務評価について、
その発展の経過と現状について
最新の調査に基づいてお話しいただきました。

イギリスの報告自体、とても興味深い内容でしたが、
それとともに気づかされたのが、
日本の雇用制度の特殊性。

同一価値労働同一賃金の実現のためには、
職務内容ごとに賃金を決めるという土壌が必要ですが、
日本の場合には、正規と非正規という
職務形態による賃金格差が生じており、
正社員の中では年功序列が強く影響しています。

一概に、どのような賃金体系が良いとは
言えないところもありますが、
職務内容で賃金を決める制度を本格導入する場合に、
わが国で注意しなければならないのが、
育児や介護などの賃金。

家庭では家事の一環として「無償」で
(一般的には)女性が担ってきた育児や介護は
どうしても低賃金になりがちですが、
「無償」という観念を腐食しなければ、
正当な職務評価にならない危険があります。

今回のお話では、イギリスとの比較を通して、
わが国の特殊性や課題を知ることができました。


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Posted by わかくす法律事務所 at 08:11 │貧困対策