「いじめ」の変質

2010年11月17日

過日、不登校児などへの学習支援等を行うNPO法人の
方から、近時の不登校児等の傾向などについて
お話していただく機会がありました。

不登校児をかかえる家庭の特徴など、
貴重なお話をたくさんお話いただきましたが、
今回は最近のいじめの特徴などを書かせていただきます。

不登校で相談に来るケースで、女の子の場合は、
ほとんどが学校でのいじめが原因だそうです。
ちなみに男の子の場合は、いじめのほか、学校の先生との関係や
親との関係で不登校になるケースも目にするようです。

最近の女の子のいじめの特徴についてもお話いただきましたが、
いじめの対象にされてしまう子は、最近は、容姿がきれいな子、
勉強がとてもよくできる子、運動がよくできる子、
男の子とよく遊ぶ子、などだそうです。

つまり、いい意味で「よく目立つ子」とのこと。
あくまでその施設に相談に来るケースにおいてですが。

最近は、格差が拡大するとともに、その格差が固定化、
連鎖するとの指摘が増えていますが、
それにともない、若年層の「あきらめ」「無気力さ」も
指摘されるようになってきています。
もっといえば、「希望がもてない」、
いくら努力しても上に行ける可能性を感じられない、
という無力感でしょうか。

そういば、おとな社会でも、格差の拡大で、ねたみや
足の引っ張り合いが行われているといわれることもあります。
それが、子どもの世界にも波及し、目立つ子に対して、
「がんばって追い越そう」ではなく、「いいよね、あの子は」
というねたみにつながっているようだ、とのことでした。

私も、最近の日本社会は足の引っ張り合いが目立ち、
努力した人、改善への努力をしている人への賛辞が
少なくなってきていると感じていました。

格差は拡大し、固定化すると、既得権を守ろうという
意識を持つ人が増え、格差是正の改革が次第に困難となります。
何か抜本的な改革を、この国も早く取る必要があるように感じます。
(辻 泰弘)


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Posted by わかくす法律事務所 at 23:53 │貧困対策